DXへの取組み
DX宣言
昨今、DXが推進される中、製造業においてもデジタル技術を使った業務効率化が加速し、
さらには新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会の状況が大きく変わりました。
また、経済産業省の「DXレポート - 2025年の崖 -」にもある通り、当社においても自社利用システムの
レガシー化を危惧しており、お客様のニーズに応えられる体制づくりが早急に必要と考えております。
この急速な変化に対応するため、当社では業務本来の在り方や、その業務が本当に必要なのか、
廃止できないか、デジタル技術を活用し効率化できないか、など徹底的に業務を見直すことで、
当社のビジネスモデルを抜本的に変革していきます。
土谷ゴム化成株式会社
代表取締役 土谷 英立
「DX認定事業者」として、2023年9月1日に認定されました。
1. 企業経営及び、情報処理技術の活用の方向性
1-1. 経営ビジョン
業務の生産性、効率化から利益を最大化にするためには、データの信憑性、ネットワーク環境の整備が
重要な課題と認識しています。
しかしながら、当社では、まだまだアナログな業務やシステムのレガシー化が起こっているのも事実です。
まずは、サーバーをクラウドへ移行することでBCP対策、及びセキュリティを強化し、お客様からお預かり
しているデータを守る基盤作りに取組みます。
また、デジタル技術を積極的に導入・活用することで、社内の蓄積されたノウハウからお客様への良質な
提案へとつなぎ、「いつまでも信頼される企業」であり続けられるよう、経営層、従業員一丸となって
取り組んでまいります。
1-2. ビジネスモデルの方向性
短期的にはクラウドツールを導入し、社内の情報を集約することで、情報共有基盤を強化していきます。
そのために、社内業務で使用している紙媒体のデジタル化、脱EXCEL管理を目標にかかげ、クラウドツールに
移行することで、社内外問わず、様々な検索条件で目的のデータをすばやく検索・共有できるように取り組みます。
また、今後導入するクラウドツールは、ISMAPなどセキュリティ水準が高く、コミュニティが豊富な製品を選定基準とし、
Fit to Standardのアプローチで活用することで、効率的な業務の標準化のための基盤作りを整備していきます。
中長期的には、海外拠点にも同一のクラウドツールを展開し、データフォーマット統一による業務標準化や
データによる現状把握、売上分析、製造分析、顧客クレーム分析などに活用していくことで付加価値を高め、
お客様へのサービス充実化に努めてまいります。
2. 企業経営及び、情報処理技術の活用の方策
2-1. DX推進戦略
日々、営業活動を展開する中で得られたものをお客様に還元できるよう、DX推進に取り組みます。
① デジタル化による顧客対応力と収益性の向上
現在、顧客管理情報や生産管理情報は、紙やEXCEL、基幹システムなどに分散していますが、クラウドツールに連携することによって、
営業グループ、生産管理グループ、品質グループの情報を共有し、各部門で顧客対応のサービス向上を進めます。
・営業グループ
対応案件の進捗プロセスや顧客訪問履歴の案件管理データを営業グループ内で共有することにより、全ての顧客に対して、速やかな
アクション、フォローを行います。また、売上データに基づいた見込み製品の抽出と、顧客の商談のキーマンを営業グループ内で
共有することによって、効率的な営業活動を実現し、収益性の向上に繋ぎます。
・生産管理グループ
受注データ、出荷データ、生産実績データから、生産管理グループが納期遵守率をリアルタイムに把握し、一層の納期短縮を進めます。
設備、金型の定期メンテナンス時期についてリマインド機能を使うことで確実に実施し、設備の安定稼働を維持します。
・品質グループ
不良率管理データ、顧客クレーム管理データから、月別推移、年度別対比、製品種別など様々な角度で集計をすることで、速やかな
現状把握や対策の立案、類似製品への横展開、顧客クレームを減少させるための施策の立案ができるようになります。
② バックオフィス業務のデジタル化
クラウドツールにより、社内に必要な情報を一元管理します。これにより、紙の掲示板の廃止や紙への手書き、提出による社内移動、
データ点在による検索の手間など、全従業員の負荷を軽減します。また、標準で備わっている機能をそのまま利用してみるという
「Fit to Standard」のアプローチで開発工数を短縮して取り組みます。
・全従業員
全従業員向けのポータルページには社内諸般データを集約して表示し、情報共有・業務連絡を効率化します。
また、各グループ向けのポータルページには、総務グループは勤怠データ集計、営業グループは売上データ集計といった、
各グループにとって重要なデータを集約して表示させることで、社員のモチベーションアップにつなげるとともに、業務効率化を図ります。
また、社内稟議をデジタル化することでスピーディーな承認が可能となります。高度なデータ集計をすることで、
社内の会議用資料作成工数を削減し、本来の営業活動に集中できるよう、効率化させます。
③各拠点間のデジタル業務標準化
日本で開発した運用中のクラウドツールを海外拠点へ展開することで、業務標準化を図ります。
・経営幹部
顧客管理データ、売上データ、不良率管理データ、在庫データなど全拠点でデータフォーマットを統一することで、日本本社が各拠点のデータから
現状をスピーディーに把握し、迅速な意思決定を行えるようにします。
2-2. DX推進体制
2022年2月に業務標準化、およびDXを推進する「業務改善グループ」を設置しました。体制としては『全社推進』を重視するため、代表取締役と業務改善グループが全社DX戦略・推進を全体支援します。
DX人材の育成・確保としては、
・ DXリテラシー向上のための外部教育の受講
・ 従業員へクラウドツールの利用促進
を実施します。
上述の育成・確保の結果、最終的には人材を「どうしたら効率化できるか」「どうしたらお客様へのサービス向上につながるか」と意識できるようにします。
2-3. デジタル技術活用のための環境整備
オンプレミスサーバーで管理している共有ファイルをクラウドツールへ移行することで、ファイルの検索性を向上させるとともに、アクセス権を適切に設定してセキュリティを強化します。スマートフォンにおいても安全に利用できるようMDM製品を導入し、紛失時などのリモートロック、最新版の管理、不要なアプリ制限などセキュリティ対策をしっかり行っていきます。また、電子化を進めていき、将来的には製造現場にタブレット端末を支給し、電子化された図面や標準書を閲覧できるようにします。
今後、システムは原則クラウドを導入することで、冗長性や事業継続性に加え、連携性を重視し、デジタル技術基盤をグループ全体に整えていく計画です。
3. 戦略の達成状況に係る指標
全体的なDX推進度合いは、一人当たりの売上高(労働生産性)の向上を指標とし、前年度対比で評価します。
4. サイバーセキュリティに関わる対策
「SECURITY ACTION」二つ星の自己宣言を行い、情報セキュリティ対策に取り組んでいます。
クラウドはISMAPや国際基準に準拠したセキュリティ水準が高いlaaS(インフラ)やSaaS(アプリ)を選定基準としています。
また、マルウェア対策としては、社内デバイスのEPPが常に最新を保つことで外部からの侵入を防ぎ、仮に侵入されたとしても、攻撃前に自動駆除するEDRを導入しています。それでも100%サイバー攻撃を防げない場合に備え、サイバー保険に加入しております。
土谷ゴム化成株式会社(以下、当社)は、お客様からお預かりした情報資産ならびに当社の情報資産を事故・災害・犯罪などの脅威から守り、お客様ならびに社会の信頼に応えるべく、以下の情報セキュリティポリシーに基づき全社で情報セキュリティに取り組みます。
1.経営者の責任
当社は、経営者主導で組織的かつ継続的に情報セキュリティの改善・向上に努めます。
2.管理体制の整備
当社は、情報セキュリティの維持及び改善のために組織を設置し、情報セキュリティの状況を把握し、問題がある場合には、必要な対策を迅速かつ適切に実施できるように致します。
3.規程の整備
当社は、情報セキュリティ基本方針に基づいた規程を整備し、情報資産全般の取り扱いについて明確な定めを示し、情報資産への不正侵入、漏えい、改ざんなどが発生しないよう努めます。
4.教育・訓練
当社は、全従業員に対して、情報セキュリティリテラシーの向上を図るとともに、当社の情報資産の適切な管理を実行するための教育・訓練を継続的に実施します。
5.法令・規範の遵守
当社は、情報セキュリティに関わる法令、規制、規範、契約上の義務などの遵守に加え、当社が定めた規定・ルールの遵守徹底に努め、違反する行為があれば厳しく対処することで、適切な情報管理に努めます。
6.違反及び事故への対応
当社は、情報セキュリティに関わる法令違反、契約違反及び事故が発生した場合には適切に対処し、再発防止に努めます。